ゼロからランニングを始めて、肉体的にはもちろんですが、精神的にも大きなメリットを実感しています。
これまでの経験を記録する意味でも、この機会に感じた精神的なメリットを書き残そうと思います。
ランニングのメリットって具体的に何なの?という疑問をお持ちの方にも参考になればと思います。
信頼のおけるストレス解消の方法
今までは残業が続いたり、気分的に沈んでしまったとき、何もやる気が起こらない軽いうつ状態になることがありました。
あれこれ考えては気分を紛らわすために、スマホでインターネットをサーフィンを延々としてやりすごしていました。
けれど、振り返ってみるとそれはストレスを解消どころか余計ストレスを溜めてしまっていて、何の解決にもなっていませんでした。
ランニングを定期的に日常生活に取り入れるようになってからは、気分が落ち込んで何もやる気が起こらない、ということがめったになくなりました。
というより、むしろ今では、嫌なことがあったときやストレスが溜まってきたと感じたときには、必ずランニングをするよう心掛けているくらいです。
そういう状況で走るときはだいたい仕事終わりの夜で、音楽は聴かず、夜の空気や一定のリズムを刻む自分の足音に意識を集中させて、自分が抱えるストレスについては考えないようにして走ります。
そうして走っていると、まず最初に無意識にこわばっていた体がほぐれてくることがわかります。
体をリラックスさせた状態で深刻に悩みぬける人間などいないわけで、逆説的に肉体を徐々に解していくことで、自然に精神をストレスフルな状態からフラットな状態に戻していきます。
✿ロダンの「考える人」も、肩が凝りそうな姿勢で悩んでいますよね。
体がほぐれてくると、「自分が今抱えているストレスは、あくまで精神的なもので、肉体を含めた私全体に影響を及ぼすものではない」ということを自然と体感することができます(個人的な体験ですが)
精神的に疲弊しているときは、ともすれば自分という存在全体が疲れ切っていて、何もやる気が起こらない、という状態になりがちです。
しかし疲弊しているのはあくまで精神、それも全体のうちの一部分、と考えることができればいくらかマシになることもあると考えます。
私が思うに、ストレスを受けている部分と、その要因をはっきりさせて落とし込むことができれば、案外に平気になることもあると思います。
そう考えてみると、ランニングでストレス解消ということは、ランニングを通して肉体を精神が抱える問題を整理して、アプローチの方法を明確化する作業、ということもできそうです。
分からない、知らないということは、それだけでストレスを感じますから。
ストレスから逃れるのではなく、整理してその問題への取り組み方を考えるきっかけを与えてくれるランニングは、今の私には最も相性が良いと感じています。
✿ちなみにストレスの解消法として、一般的に考えうる手段の中に、映画やカラオケ、本などがあり、私はどれも大好きです。
優越感
ここでいう優越感とは、自分以外の人に対して抱くものではなく、体力が無く、なにをしても疲れやすかった過去の自分に対しての優越を指します。
そんな自分を改革するために意識的にランニングに取り組み、それが結果として表れてきていることへの達成感とも言い換えることができるかもしれません。
ランニングは、筋トレと同じく頑張った分だけ自分に還ってくる作業で、うそをつきません。これはよく世間一般でいわれていることですが、やはり努力がスムーズに報われることって普通の生活では多くないので貴重です。
ただ、自分とは別の人に対する優越感、これが全くないかといえば、やはり嘘なのかもしれません。
街で見かける不摂生をしている人を見かけると、自分の理想、そして今の私と比較してしまうことも、正直なところあります。
これは、私が相対的な評価を基準にして自分の価値を確認している側面で、リアルでは口にしにくい私という人間の人間臭い内内の感情です。
今のところ私は、こういったトレーニングの成果や自分の成長は、やはり相対的ではなく、絶対的な評価基準を自分の中に持つことが必要だと考えています。これからも。そうでないと続かないような気がするのです。
ただ、これは難しい。
他人と比べず、自分が理解していればそれでよい、という境地に至るにはまだまだ鍛錬が足りませんが、気持ちだけは忘れないようにしようと思っています。
マインドフルネス的な効果
マインドフルネスは仏教に由来する考え方で、概略すると「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」と説明されることがあるようです。
これを達成するために有効とされているのが瞑想で、東洋では3000年前から行われているようで、一般的な目的として、抱えている問題やストレスを直視し、自己の感情を正しく捉える、意義があります。
私はよく本屋に行きますが、この手の本は本当にたくさんあり、現代人が自分の感情を整理できないまま生活していて、かつその問題を解消したい人が多いことがわかります。
前置きが長くなりましたが、私はランニングには、瞑想と同じ効果があると実感しています。
特に夜に静かな道を走っていると、夜の空気に自分が溶け込んだような、不思議な感覚に陥ることがあり、無意識で自分の足だけが動いている、という状態になることがあります。
実際、ランニングを始めてから精神的に安定することも増えましたし、無性にイライラすることも減ったように思います。
マインドフルネスは、「ココロの筋トレ」といわれることもあるようですが、肉体と心を同時に解して鍛錬することのできるランニングは、まさに一石二鳥なのかもしれません。
ソロ焚火をした時の画像 焚火もマインドフルネスの効果と、ストレス解消の効果があるように思います。 |